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自分が海に落ちた場合の対処法

[更新日: 2016年3月30日]

助かるためには浮き続けること

もし自分自身が海中に転落してしまったら、できることは浮いて助けを待つのみです。なので、いかに長く浮いていられるかが生存の鍵を握っています。

助かるためには少なくとも、誰かが119番か118番に通報し、救助隊が現場に駆けつけ、救助活動が行われ、無事助け出されるまでの間は海に浮かんでいなければなりません。

救助隊は通報を受ければすぐに現場に現れるわけではありません。現場までの距離や、その日の交通事情や天候などによって、到着するまで時間がかかることもあります。さらに救助活動でも気象や海象や地理的な問題から難航する、つまり時間がかかるケースもあります。

つまり、助かるためには長時間浮かんでいなければならないということです。5分10分程度しか浮かんでいられないのは、助かる望みは薄いといえます。

なので海に落ちたら、まず落ち着いて浮くことに専念してそのまま救助を待ちましょう。

背浮きになる

ライフジャケットを正しく着ていれば体は浮きます。ライフジャケットを着て水に浮かんでいるとき、仰向けの状態になります。つまり、ライフジャケットは呼吸できるように顔が上に向いた状態になるように設計されているわけです。これは人が最も楽に水に浮かぶことができる姿勢でもあります。なので、救助を待つ間はラッコになったつもりで(いわゆる背浮きの格好)で浮かんでいましょう。

下手に泳がないこと

水難事故に対する知識や心構えができていない人は、海に落ちると岸に向かって必死に泳ごうとするらしいですが、これはやってはいけないこととされています。理由は2つありますが、1つめは体力を無駄に消耗して力尽きてしまう恐れがあるからです。

クラブ活動かスイミング教室などで日頃から水泳やってるから泳ぎには自信がある、という方でも油断は禁物です。海に転落した人(ここでは泳ぎが得意な方)が今、置かれている状況というのは、服が海水を吸ってズッシリと重くなっていて、波立つ水面に潮の流れがある海の中にいる状況です。つまり水着をきてスポーツ施設のプールで泳ぐときとは次元が違うわけです。

また大抵の方が水泳と聞けば頭の中でイメージする泳ぎ方ですが、それは正確にいうと競泳と呼ばれる泳ぎ方です。競泳とは文字通り競技のための泳ぎ、速く泳げることだけに重視した泳ぎ方です。

例えば、皆さんご存じのクロールという泳ぎ方があります。クロールは人が最も速く泳げる方法ですが、服を着たまま海に落ちた場合だと、海水を吸った服のせいで腕が重くなりまともに泳げなくなります。つまり学校などで教わった水泳というのは、水着の格好で、且つプールや流れのゆるやかな水辺でのみ通用する泳ぎ方で、それ以外の条件、少なくとも釣りをしているときに海に落ちた場合は大して役に立たないと思った方がよいでしょう。

助かるためには、できる限り長く浮かんでいることですので、下手にじたばたせず浮かんだままじっとして体力を温存した方が賢いわけです。

さて2つめですが、これは岸がテトラ帯、岸壁、岩場になっていて、波が強く打ち寄せている場合です。この状況で岸に近づくと、波の力で身体が岩や岸壁に叩きつけられたり、テトラの隙間に押し込められたりします。そして、岩に頭を強く打って意識不明になったり、あるいはテトラの隙間に体が挟まったりして、そのまま溺れ死んでしまう危険があるからです。そうならないためには、岸から離れるようにして沖で救助を待つようにしましょう。

服や靴は脱がない

海に浮かんでいる間、服や靴を脱がないようにします。実際、海に落ちたらそんな余裕はありませんし、濡れた服は体にひっつくので脱ごうとしてもまず無理です。服や靴を身につけたままだと沈んでしまうイメージがありますが実はその逆です。

海に落ちた時には、服や靴の内側にはまだ空気が残っています。この空気を逃がさないように背浮きになると、服に空気がたまって浮き袋のようになり、また靴のもつ浮力で足が浮き、何も着てない状態より楽に浮くことができます。逆に頭や手を出す襟ぐりや袖口が海面、つまり上に向くような立ち泳ぎの姿勢だと、そこから空気が逃げてしまい体が沈みやすくなるそうです。

また、海中では素肌でいるよりも服を着ていたほうが体温が下がりにくいです。人は冷たい水の中にいると、どんどん体温が奪い取られていきます。それは同じ温度(気温)の外にいる時とは比べものにならないほど早いペースです。体が冷えてきってしまうと、低体温症となったり最悪死んでしまう危険があります。ちなみに日本沿岸の冬場の海水温は15度を下回りますので、この時期の海に落ちたら溺死と同じくらい体温の低下が怖いといえます。

声を出したり手を振ったりしない

声を出すと、その分肺の空気が抜けるため体が沈んでしまいます。また手を振るとその反動で体が沈みます。ですので、下手に助けを求める動作をせずただ浮くことに専念したほうがよいことになります。

ただ場合によっては、漁港や防波堤などから海に落ちてしまったとき、とっさに声をあげて、近くにいた人が助けを求める声に気づいて118番に通報したりして、その結果助かることも考えられます。ライフジャケットを正しく着た状態であれば、その浮力のおかげで声を出せる余裕があるかもしれません。

しかし、ある程度沖に流されてしまうと、声は岸まで届きませんし目立たなくなるので、陸にいる人や船に向かって必死に声を出したり手を振ったりしても相手に気づかれにくいでしょう。それどころか、体が沈んで溺れてしまう危険が増すだけなので、下手に動かないで救助を待ったほうがよいでしょう。

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