海釣りスタートガイド TOP釣り初心者向け素手で触ってはいけない——海で釣れる危険な魚・生き物と対処法

素手で触ってはいけない——海で釣れる危険な魚・生き物と対処法

釣れたときに注意したい海の魚・生き物の中で、堤防や海釣り施設で釣れることがあるものを中心にまとめてあります。

毒針で刺される危険のある魚・生き物

毒針を持つ魚・生き物が死んでいても、毒は有効のままです。

死んだからといって無毒化することはないので、毒針に触れないよう十分注意。

※気になる生き物は、画像をタップ or クリック。

エイ

※赤で囲った部分に毒針。

海釣りの代表的な毒魚。(写真はアカエイ)

毒針は猛毒。アカエイは過去に死亡事故あり。

 

主に投げ釣り(ちょい投げ)、ブッコミ釣りでかかることが多いです。

ルアー(鉄板系、バイブレーションプラグ、メタルジグ)にスレ掛かりすることもあります。

▼大きさ

最大2m近く。


▼毒針の位置

尻尾の付け根近くに長い毒針。

毒針は普通1本だが、2本生えてる場合もあり。


▼備考

食用可。

ホシエイ、ナルトビエイなども尻尾に毒針が生えてるので要注意。

ホシエイの画像(Google)

ナルトビエイの画像(Google)

ゴンズイ

※赤で囲った部分に毒針。

堤防では定番の毒魚。

防波堤でのサビキ釣りやちょい投げで釣れることがあります。

▼大きさ

最大20cm程度。


▼毒針の位置

背ビレ、胸ビレのトゲ。計3ヶ所に毒針。


▼備考

食用可。味噌汁など。


▼刺されてしまった場合

こちらを参照(外部)。
ゴンズイ/沖縄県

ハオコゼ

※赤で囲った部分に毒針。

ゴンズイと並ぶ定番の毒魚。

ちょい投げや探り釣りで釣れることがよくある小さな魚。

▼大きさ

最大10cm程度。


▼毒針の位置

背ビレのトゲが毒針。他のトゲにも注意。


▼備考

パッと見は小さなカサゴに似ている。釣りあげたとき、うっかり手でつかまないように注意。

アイゴ

※赤で囲った部分に毒針。

防波堤でのサビキ釣りや、磯でのウキ釣りなどで釣れることがあります。

▼大きさ

最大30cm程度。


▼毒針の位置

背ビレ、腹ビレ、尻ビレのトゲ。


▼備考

食用可。刺身や煮付けなど。

ミノカサゴ

※赤で囲った部分に毒針。

カサゴの仲間。

アジやイワシをエサにした泳がせ釣りにかかることがあります。

▼大きさ

最大30cm程度。


▼毒針の位置

背ビレのトゲが毒針。

他のトゲにも注意。


▼備考

食用可。刺身、唐揚げなど。


▼刺されてしまった場合

こちらを参照(外部)。
ミノカサゴの仲間/沖縄県

カツオノエボシ

一般的にはクラゲの仲間。(正確には「ヒドロ虫」と呼ばれる生き物の仲間)

別名「電気クラゲ」。

青い触手に触ると刺される。猛毒。死亡事故あり。

 

釣りをしてるとき、青色の触手が仕掛けに引っかかってしまうことがあります。

もし青い糸のようなものが仕掛けに引っかかっていた場合、絶対に素手で取ろうとしないこと。

▼大きさ

本体は10cm程度。

触手の長さは平均10m、最大50m程度。


▼毒針の位置

触手。


▼備考

カツオノエボシは砂浜に打ち上げられていることもあります。

キス釣りなどの投げ釣り、サーフでのルアー釣りをするときは足元に注意。


▼刺されてしまった場合

こちらを参照(外部)。
カツオノエボシ/沖縄県

ガンガゼ

長いトゲが特徴のウニの仲間。

磯場で見かけることが多い。

▼大きさ

本体は5~10cm程度。

トゲは長いものだと30cm程度。


▼毒針の位置

本体から生えてるトゲすべて。

トゲは鋭いうえに折れやすく、刺さるとトゲが折れて傷の中に残ってしまい、痛みが長引く。


▼備考

イシダイ釣りのエサに使われることがある。


▼刺されてしまった場合

こちらを参照(外部)。
ガンガゼ/沖縄県

その他

ウミケムシ

ウミケムシの画像(Google)

ゴカイ(多毛類)の仲間。

投げ釣りで釣れることが多い外道。

▼大きさ

最大10cm程度。


▼毒針の位置

体側に毛のように生えているのが毒針。


▼備考

暗くなると活動する傾向にあるため、夜釣りでかかることが多い。

オニオコゼ

オニオコゼの画像(Google)

通称オコゼ。

▼大きさ

最大30cm程度。


▼毒針の位置

背ビレのトゲが毒針。


▼備考

他のトゲにも注意。

食用可。刺身、唐揚げなど。

イズカサゴ(オニカサゴ)

イズカサゴの画像(Google)

通称オニカサゴ。船釣りで人気のあるターゲット。

▼大きさ

最大55cm程度。


▼毒針の位置

背ビレのトゲが毒針。

腹ビレ、尻ビレのトゲにも注意。


▼備考

食用可。刺身、煮付け、鍋物など。

※カサゴ

一般的にカサゴは毒魚扱いにはされません。

ただ、カサゴの中には背ビレのトゲに、微量ながら毒を持つ個体がいるとされるので要注意。

▼大きさ

最大35cm程度。


▼毒針の位置

背ビレ。

刺さった箇所に軽い痛み・しびれが数時間続くとされる。

※メバル

カサゴと同様に、一般的にメバルは毒魚扱いにはされません。

ただ、メバルの中には背ビレのトゲに弱毒を持つ個体がいるとされるので要注意。

▼大きさ

最大35cm程度。


▼毒針の位置

背ビレ。

刺さった箇所に軽い痛み・しびれが数時間続くとされる。

咬まれると危険な魚・生き物

※気になる生き物は、画像をタップ or クリック。

ウツボ

磯場で魚やイカの切り身をエサにしたブッコミ釣りでよく釣れる。

▼大きさ

最大1m程度。


▼注意点

鋭い歯を持ち、咬まれると酷いケガになるので危険

仕掛けを外そうと、うかつに手を近づけると咬みつこうとしてくるので要注意。

体表にヌメリがあり、つかみにくい。

仕掛けに巻き付いてしまうことがある。


▼備考

食用可。タタキ、唐揚げなど。小骨に注意。※小骨と呼ぶにはかなり太く、骨切りは無理。

ヒョウモンダコ

猛毒をもつタコで有名。

青色の模様が特徴的。

▼大きさ

最大10cm程度。


▼注意点

毒は「テトロドトキシン」、いわゆるフグ毒

噛んだときに毒を注入してくるので、手で持つのは危険。死亡事故あり。


▼備考

身や体表にも毒があるとされるため、食用不可。

タチウオ

堤防の電気ウキや船釣りで人気。

▼大きさ

最大1m程度。


▼注意点

鋭い歯を持っている。


▼備考

ウツボやアナゴなどと異なり、体表にヌメリはない。

ヒラメ

ルアーや船釣りで特に人気の高いターゲット。

小さいサイズは「ソゲ」と呼ばれる。

▼大きさ

最大1m程度。


▼注意点

鋭い歯を持っている。

サワラ

ルアーで人気のある対象魚のひとつ。

小さいサイズは「サゴシ」と呼ばれる。

▼大きさ

最大1m程度。


▼注意点

鋭く細かい歯を持っている。

その他

ダイナンアナゴ(クロアナゴ)

ダイナンアナゴの画像(Google)

魚やイカの切り身をエサにしたブッコミ釣りで釣れることがある。

▼大きさ

最大1mを超える。


▼注意点

アナゴ類は、硬くて櫛状の歯が生えている。

大きなものほど咬む力が強いので要注意。

体表にヌメリがあり、つかみにくい。

仕掛けに巻き付くことがある。


▼備考

食用可。小骨に注意。

不用意につかむとケガをする魚(無毒)

※気になる魚は、画像をタップ or クリック。

アジ

※赤で囲った部分に注意。

サビキ釣りでは定番の魚。

▼大きさ

最大50cm程度。


▼注意点

尻ビレの前方にある2本のトゲに注意。

釣れたアジをつかんでしまうと、このトゲが突き刺さってケガをすることがあります。

豆アジ~小アジサイズが釣れた時、うっかりつかんでしまいがちなので注意。

スズキ

※赤で囲った部分に注意。

ルアー釣りでは「シーバス」と呼ばれる魚。

関東では「セイゴ」「フッコ」。関西では「ハネ」。東海では「マダカ」。

▼大きさ

最大1m程度。


▼注意点

「背びれのトゲ」と「エラブタの縁(ふち)」に注意。

エラブタの縁はカミソリのように鋭いです。

クロダイ

※赤で囲った部分に注意。

ウキ釣りや堤防のヘチ釣りで人気の高い魚。

関西では「チヌ」。

▼大きさ

最大60cm程度。


▼注意点

口には歯が生えていて、咬む力が強いです。

背ビレ・腹ビレ・尻ビレの一部は、鋭く硬いトゲになっています。

クロダイを持とうとして、うっかりその部分を掴んだりするとヒレのトゲが指に突き刺さることがあります。

キビレも同様に注意。

キビレの画像(Google)

メジナ

※赤で囲った部分に注意。

堤防ではクロダイと同様にウキなどで狙える魚。

磯釣りでは人気の高いターゲット。

関西では「グレ」。九州では「クロ」「クロダイ」。

▼大きさ

最大50cm程度。


▼注意点

背ビレ、腹ビレ、尻ビレに硬いトゲがあります。

また、エラブタの一部がカミソリのように鋭利なので特に注意。

メゴチ(ネズミゴチ)

投げ釣り(ちょい投げ)、特にキス釣りでよく釣れる外道。

▼大きさ

最大20cm程度。


▼注意点

エラブタにトゲがあるので注意。

※赤で囲った部分に注意。

釣れた時の対処法

危険な魚・生き物が釣れた場合、以下の方法のどれかで対処します。

・片方の手はメゴチバサミやフィッシュグリップを使って魚を掴み、もう片方の手はプライヤーを使って針を外す。
・ハリスを切って逃がす。

針をうまく外す自信が無ければ、無理をせずハリスを切って逃がすようにしましょう。

特にアカエイやウツボはかなり危険なので、そういった危険度の高い魚が釣れたらハリスを切って逃がすように。

シーン別・海釣りで気をつけること

 

釣り初心者の方であれば、下手にエイなどの毒魚から針を外そうとするのは危険です。

安全を最優先に。

 

釣り慣れてる人であれば、危険な魚・生き物でも、うまく針を外して逃がしてあげることもできます。

ただ、釣りを初めて間もない方が無理をして針を外そうとした場合、咬まれたり毒針に刺されたりして早急に病院に行かないといけない事態に陥る危険があります。

現在は新型コロナが流行っています。

感染者数などの状況によっては、ケガをしたとき、病院ですぐ治療を受けられるかどうか分かりません。

なので、危険な魚が釣れたら無理をせずハリスを切って逃がすようにしましょう。

シーン別・海釣りで気をつけること

【事例】もしウツボに咬まれたら、どうなるか

ウツボに咬まれた事例・体験談について(外部リンク)。

※閲覧注意

【事例】もしエイに刺されたら、どうなるか

エイに刺された事例・体験談について(外部リンク)。

※閲覧注意

★エイ被害の実体験★
シーバス釣りでウェーディング中のとき、足をエイに刺され、長期にわたる治療やエイ毒による副作用の症状について書かれた体験談。

エイに刺された、男性
エイに刺された手の甲を治療してる動画の紹介記事。何度も手術を繰り返している様子が映されてます。

終わりに——大切な心構え

管理人は、海釣りで大切な心構えのひとつに「恐れ」があると思っています。

海や自然を正しく恐れることで、釣りでの事故を回避できるようになる。そう思っています。

 

この記事を書いてる途中で、

「海で釣れる危険な魚や生き物に対する恐れはどうやったら伝わるか?」

「あの魚は危険とか猛毒とかヤバイとかいわれてるけど、文字だけ見てもパッとしないだろう。」

そう思い、海釣りで見かけることが割と多く、かつ危険度の高いエイとウツボの被害事例・体験談を紹介しました。

上記の事例で紹介したページを見て、「どれほど危険なのか」「どれほど大変な目に遭うのか」が少しでも伝わればと思います。

※リンク先にはド直球な表現があるので、そういうのが苦手な方は見ないほうがいいです。

 

もし釣れた魚で大ケガしたら、治すのは大変です。

さらに新型コロナが流行ってる(2022年4月現在)ので、感染者数などの状況によっては、病院でスムーズに治療を受けられるか分かりません。

釣りは安全第一で。

 

万が一、上記で紹介した魚や生き物に毒針で刺されたり、ちょっとでも「傷が深いな」と思ったら、すぐ病院行くか、救急車を呼んでください。

痛みを我慢しながら自力で治す方法をインターネットで探すのは、時間の無駄です。

釣りは安全第一で。※大事なことなので二回言いました