投げ竿の選び方とおすすめ
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この記事は、投げ竿を選ぶ際に必要な知識・情報についてまとめてあります。
これから投げ竿を購入しようと考えている方に向けた内容となっています。
投げ竿選びの基礎知識
長さ
堤防や海釣り公園でのちょい投げ用途であれば、2~3m程度の短めの投げ竿が使いやすいです。
砂浜(サーフ)から遠投するような本格的な投げ釣りの場合、4mの長さを使うのが標準です。
号数
投げ竿の号数は、扱える錘(オモリ)の号数を表しています。
※実際には、その号数前後の錘を投げることができます。例えば、投げ竿に25号と書いてあれば20~30号の錘が扱える、といった具合。
扱える錘が重ければ、より遠投することができます。ただ、重たい錘を遠くに投げるにはテクニックが必要となるので、単純に重ければいいというわけではありません。
また潮の流れが速い釣り場であれば、仕掛けが流されないように、重たい錘を飛ばせる竿が必要です。
品番の見方
ダイワ、プロマリンなどの投げ竿の品番
例えば「27-420」と書かれてあった場合。
これは「扱える錘が27号、長さ420cm=4.2mの投げ竿」という意味です。
単純に数字(長さと号数)の組み合わせなので、分かりやすいと思います。
シマノの投げ竿の品番
シマノの投げ竿の場合、号数は独自の表記を使っています。号数を数字で表していません。
シマノ表記 | 錘号数 |
---|---|
JX | 10 |
HX | 15 |
GX | 20 |
FX | 23 |
EX | 25 |
DX | 27 |
CX | 30 |
BX | 33 |
AX | 35 |
XX | 40 |
XXX | 45 |
例えば「425DXT」または「425DX-T」と書かれてあった場合。
まず、[425][DX][T]と区別します。
それぞれの意味は次の通り。
[425]は長さ425cm、
[DX]は27号、
[T]は振出竿(テレスコピック、Telescopicの頭文字)。
つまり、「425DXT」は「長さ4.25m、扱える錘が27号、振出竿」という意味になります。
ガイド
ライン(道糸)を通すリングの部分のことを「ガイド」といいます。
振出の投げ竿の場合、なるべくガイドが回らない機能(ガイドロック)があるものをおすすめします。
※ちょい投げ用であればガイドロック仕様でなくても大丈夫です。
ダイワなら「ファインピッチガイドロック」、シマノなら「トータルガイドホールドシステム」が採用されている投げ竿です。
ガイドが固定できない振出の投げ竿は、遠投には向きません。
ガイドが固定できない投げ竿でフルスイングした時、ガイドが回って、ずれてしまうことがあります。
仕掛けが飛んでる最中にガイドがずれてると、飛距離が落ちたり、ガイドにラインが絡まってバッチンと切れたりする恐れがあります。

竿(ブランク)の素材
竿の素材には、大まかに「カーボン」と「グラス」があります。
カーボンで出来た竿は、反発力があり、仕掛けを遠くに飛ばすのに向いています。
グラスで出来た竿は、曲がると粘りがあり折れにくいです。ただ、カーボンと比べると反発力が低く、仕掛けを遠投するのには向いていません。
ちなみに、シマノやダイワの投げ竿で、値段が1万以上するものは、ほぼカーボン製です。
用途別で選ぶ、投げ竿の長さと号数
ちょい投げやサビキ釣りなどに使える投げ竿
防波堤でちょい投げ・サビキ釣りなど、多目的に使う場合。
以下は、海釣り初心者におすすめの投げ竿のスペックです。
- 長さ:2~3m
- 号数:10~15号(シマノなら「JX」か「HX」)
(ちょい投げ竿・万能竿と呼ばれるタイプ)
ちょい投げ釣り・サビキ釣り・堤防の壁際での探り釣りなど、様々な釣り方に使用することができます。
コンパクトで軽量なため、取り回しがよく、子供や女性の方にも扱いやすいでしょう。飛距離は30~50mぐらいまで(ナイロンラインの場合)。


より遠くに飛ばしたい場合は、号数が20号(シマノなら「GX」)の投げ竿を選ぶといいでしょう。
ただし、そのぶん竿が硬くなるので、イワシや小アジ・豆アジ狙いのサビキには少々向かなくなります。

サーフ、遠投用の投げ竿
例えば、砂浜からの遠投、100m(4色)以上遠投したい場合。
必要な竿のスペックは以下の通り。
- 長さは4mが標準的
- 号数は25~30号(シマノならEX、DX、CXのどれか)
- カーボン製
- 振出竿の場合は、ガイドロック仕様のもの
シマノやダイワの投げ竿だと、4.05~4.25mあたりが入門者向けの長さとなるでしょう。
また号数については、最初に選ぶ投げ竿であれば、27号(シマノならDX)が基準になると思います。
(27号で大体100gの重さとなる。参照⇒オモリ号数をg(グラム)に換算)
投げ竿Q&A
投げ竿に関する疑問とその答え。
ハードガイドの投げ竿でPEラインは使えるか?
管理人の場合、普通に釣りをする分にはハードガイドでも問題はないと思います。
ただ、本格的な大物狙いなど、強い号数のPEを使うような場合、ガイドリングに溝が入るなどのトラブルが起こる可能性があるかもしれません。
気になる方はPEに対応したもの(SiCガイドやKガイド)を選ぶといいでしょう。

※PEライン対応の投げ竿で安いものだと、2018年1月時点で「エクストラサーフT(ダイワ)」、価格は約1.5万円以上します。
ちょい投げ用であれば、ルアーロッドのほうが安くていいと思います。
1万円前後でPE対応(トップガイドがSiCリング)のルアーロッドが手に入ります。
【ルアーロッドに関する記事はこちら】
投げ釣り以外の用途で使えるか?
例えば、堤防でのサビキ釣りや探り釣りにも使いたい場合、オモリ号数が小さいもの(10~15号あたり)、万能竿と呼ばれるタイプの投げ竿であれば兼用できます。
長さが4mクラスで25号とか30号といった遠投用の投げ竿の場合、兼用は厳しいです。
投げ竿の特徴として全体的に硬く張りがあるので、軽いオモリをつかってアタリをとるような繊細な釣りには向いていません。サビキにしても磯竿と比べてバラシやすいでしょう。
また、本格的な投げ竿タックルは、かなり重たく、手持ちで釣りをするには辛いです。タックルを持つほうの手首にかかる負担が大きく、疲れやすいです。
例えば入門向けのものだと、4mの投げ竿の重さが400g前後、投げ専用リールの重さが600g前後。投げ竿タックルひとつで、計1kgほどの重さにもなります。
ウキ釣りやサビキなどがメインであれば、やはり磯竿がおすすめです。
釣り方に合った竿を選んだ方が、快適に釣りが楽しめて釣果も出ます。
【磯竿に関する記事はこちら】
遠投用磯竿との違い
遠投用の磯竿は、通常の磯竿よりも遠投できるように作られたものです。主に、カゴ釣りやブッコミ釣りを目的とした竿です。
投げ竿は、単純に仕掛けを遠くに飛ばすことを目的として作られた竿です。
磯竿は、ガイド数が多く、しなやかに曲がるので、魚とのやり取りで強みを発揮します。しかし、キャストのときラインがガイドに当たりやすく、そのぶん飛距離が出にくいです。
投げ竿は、ガイドの数が少なく、竿の張りが強い(硬い)です。そのため、魚をかけたとき、磯竿のようにしなやかには曲がりません。
つまり遠投用磯竿はあくまで磯竿であって、本格的な投げ釣りのように砂浜から遠投するような使い方には向いていないということになります。

主なメーカー・ブランドとおすすめ
シマノ
大手釣り具メーカーのひとつ。
シマノの投げ竿は、主に以下のシリーズがあります。
振出
並継ぎ
シマノの投げ竿で入門向けなのは「ホリデースピン」。ちょい投げに最適なショートモデルがあり、初心者向けです。価格は7~9千円程度。
同価格帯であるダイワのリバティクラブよりカーボン率が高く、仕掛けを遠くに飛ばすのに有利。
ガイドロック仕様は、サーフチェイサーから上のモデル。
遠投(キスの投げ釣り)に使う竿で、入門向けで選ぶなら「サーフチェイサー」。ただ、同スペックであるダイワのプライムサーフのほうが安いです。
Kガイド仕様は、振出はサーフリーダーから上のモデル。(並継ぎは、基本的にKガイド仕様。)
ちなみに上位機種には、「スピンパワー」「キススペシャル(キススペ)」があります。スピンパワーは遠投置き竿、キススペシャルはキスの投げ釣り用のモデルです。
ダイワ
ダイワの投げ竿は、主に以下のシリーズがあります。
振出
並継ぎ
海釣り初心者向けなのは「リバティクラブ ショートスイング」。ちょい投げやサビキなど、堤防釣りでは万能竿として活躍します。
遠投に使う竿で、入門向けで選ぶなら「プライムサーフ」がおすすめ。
大手メーカー製で、遠投仕様(カーボン製・ガイドロック)の投げ竿の中で、最も値段が安い(1万円前後)からです。
ちなみに、プライムサーフより下のグレードであるリバティクラブは、カーボン製ではなく(カーボン率が約30%)、ガイドロック仕様ではない点に注意。

ガイドロック仕様は、プライムサーフから上のモデル。
Kガイドを搭載してるものは、振出はエクストラサーフから上のモデル。(並継ぎは、基本的にKガイド仕様。)

ちなみに上位機種は、振出モデルの場合「トーナメント サーフT(赤サーフ)」など。
並継ぎの上位機種は、「サンダウナー」「トーナメント(プロキャスター、マスタライズキス)」などがあります。
がまかつ
価格的に、中~上級者向けのブランド。
その他
あまりお金をかけず手軽に投げ釣りを始めたい方は、「プロマリン」や「OGK」の投げ竿が安くておすすめです。