釣り場に着いたとき~帰るときまでの間、海釣りでの注意点をシーン毎にまとめてあります。
釣り場に着いたとき
海釣り施設の場合
入り口で並んでいるとき
海釣り施設の入り口では、行列ができていることがあります。
- 開場前のとき。
- 釣り場が満員のため入場規制をかけているとき。
行列ができている場合は、列の最後尾に並んで待つようにしましょう。
また係の人がいる場合、指示があればそれに従うこと。
利用できる時間の確認
大抵の海釣り施設では営業時間が決まっています。
時間ギリギリまで釣りをしたい場合、釣り具を片づける時間と施設の出口まで歩いてかかる時間を把握しておくこと。
帰る準備は時間に余裕をもってしたほうがいいです。
急いで片付けるような感じだと、忘れ物をしてしまうことがあるためです。
漁港の場合
駐車する場所
事前に調べて、問題ない場所に停めるように。
漁港関係者用の駐車場には停めないこと。
漁具がある場合
もし漁網などの漁具を見かけた場合、むやみに触ったり弄ったりしないこと。
漁港では漁網を外に広げて干してあったりします。
くれぐれも干してある漁網の上を歩いたりしないように。
漁具は漁師の方にとって大事な商売道具です。
海沿いの公園の場合
すぐ近くにマンションやアパートがある場合
釣り場のすぐ近くに住居があるような場所では、音に注意。
具体的には、車やバイクの音、話し声、キャストしたときの風切り音、など。
うるさくすると、住民に通報されます。(特に夜間、住民が寝静まる時間帯)
特にグループで釣りをする場合、話が弾んだり、魚が釣れたら盛り上がったりと騒いでしまいがちです。
仲間内で盛り上がっている状況だと、なかなか「もう少し静かにしよう」と言い出せないと思います。
人は集団になると、心理的に他人への配慮がおろそかになりがちです。
グループで釣りをする場合は、釣り場のすぐ近くに住居があるような場所は避けたほうがいいです。
釣り場内に入るとき
ライフジャケットの着用
海に落ちる危険がある釣り場では、必ずライフジャケットを着てから行動するように。
海釣り施設の中には、ライフジャケットを貸し出しているところもあるので利用しましょう。
スマホの防水
もし海に落ちた場合、自力で118番(海での緊急通報)できるように、スマホを防水ケースに入れておくこと。
虫除けスプレー(ヌカカ・磯ブヨ対策)
防波堤や磯場では虫に刺されます。
「イソヌカカ(磯ブヨ)」と呼ばれる虫で、集団で刺してきます。
普通の蚊と比べて、痒みやかぶれの症状が強く、長引きます。
イソヌカカに刺されないためには、蚊と同様に虫除けスプレーが効果あります。
手の甲、指、顔、耳、少しでも肌が露出してる部分に刺してくるので、念入りに。
インナーウェア(タイツ)を着て、その上から虫除けスプレーをかけたほうが、素肌に直接スプレーするより効果的です。
釣り場内を歩くとき
釣り人のそばを通るとき
もし釣り人が仕掛けを投げようとしていたら、そばに近づかないこと。
通路が狭い場合は、一旦立ち止まって、相手が投げ終わってから通り過ぎましょう。
※相手がこちらに気付いて「そばを通っていいよ」とサインを出してくる場合もあります。
小さなお子さんを連れて釣りをされる方は、特に注意してください。
子供の場合、遊ぶことに夢中になって周りをよく見てないことが多いです。
キャストしようとしている人に近づいたりすることがあり、大変危険です。
足場が濡れていたら
足場が濡れているところは、滑りやすいので極力歩くのは避けるように。
特に岩場の波打ち際は、ノリが生えていてとても滑りやすいです。
夜、ヘッドライトを使う場合
海面や近くの釣り人に向けて光を当てないように注意。
海面に光を当てると、魚がびっくりして逃げたり警戒されて釣れなくなるとされます。※一時的に光を当てた場合。光を長時間当て続ける集魚ライトはまた別。
もし釣り場に先客がいた場合、嫌がられたり揉め事になることがあります。
近頃売られているヘッドライトの中には、光量がかなり強いものがあります。
そういったヘッドライトを向けられた相手は、眩しく、目がくらむので迷惑します。
ヘッドライトの必要が無いときはOFFにする、必要以上に明るくならないよう光量を調節しましょう。
釣りをしたい場所のすぐ隣に釣り人がいる場合
もし、釣りをしたい場所の隣に釣り人がいる場合は挨拶しましょう。
例えば「おはようございます。隣いいですか?」と、一声かける感じです。
大抵は「どうぞ」となると思います。
くれぐれも黙って先客のすぐ隣に割り込むようなことはしないように。
釣りをしている最中に黙ってすぐ隣に入られるのは、誰でも気分がいいものではありません。
特に釣り場が混雑しているときは、マナーとして隣の人に一声挨拶することを心がけるようにしましょう。
釣り場での挨拶には「ここで竿を出しても迷惑じゃありませんか?」といった意味合いがあります。
釣り場は先客順です。後から来た人は、先客の迷惑にならないように配慮する必要があります。
挨拶をして、相手がよければ「いいですよ」「どうぞどうぞ」となります。
相手が嫌だったら「ここはダメ」「他でやって」となり、それなら他の場所で、といった流れになります。
釣りを始めるとき
荷物の置き場所
荷物を置く場所は、以下の点に注意。
- 通路となる場所には置かない。
- 1ヶ所にまとめて置く。
- 荷物が濡れない場所に置く。(波が被らない場所、潮が満ちてこない場所)
通路になるところに荷物を広げてしまうと、通行人の迷惑です。竿などの道具を踏まれて壊されてしまう場合もあります。
救命用の浮き輪、はしごの場所の確認
自分(あるいは他の人)が海に落ちた場合のことを考えて、以下の点を把握しておきましょう。
- 海から陸へ上れるはしごがどこにあるか
- 海に落ちた人に投げ与える浮き輪がどこにあるか
釣りをしてるとき
釣り糸や空容器などのゴミが出たら
釣りの最中に出たゴミは、レジ袋などに入れて口を縛っておきましょう。
風が強い日は、ゴミを入れた袋が飛ばされてしまうことがあるので注意。
風で飛ばされないようにするには、レジ袋の取っ手の部分にカラビナを付けて、クーラーボックスやバッグなどに取り付けるといいです。
仕掛けを投げるとき(キャスト)
キャストするときは、必ず左右・後ろの安全確認をするように。
また、船や係留ロープの近くに仕掛けを投げるのは控えましょう。
こちらも参照。
⇒キャストするときに気をつけること
ウキ釣りをする場合
以下の場合、ウキ釣りは控えましょう。
- 潮の流れが速く、ウキがすぐ流されてしまうとき。
- 釣り場が混雑しているとき。
ウキが隣のほうまで流されて、隣で釣りをしてる人の迷惑になるからです。
足元に仕掛けを垂らすような釣り方に変えましょう。
※大潮の日は潮の流れが速いので注意。
投げ釣りをする場合
大潮で潮の流れが速い場合、沖に投げた仕掛けが徐々に流されることがあります。
置き竿にしてしばらくすると、隣に斜めに投げたような状態となってしまい、オマツリの原因となります。
対策としては流されにくいオモリに変えること。
- より重たいオモリに変える
- スパイク錘を使う
隣の人の仕掛けが絡まったら(オマツリ)
隣の人とオマツリした場合、まずは「すいません」と一言謝りましょう。
相手によりますが、釣りを始める前に挨拶をしておけば険悪なムードにならずに済むでしょう。
オマツリをほどく場合、相手によりますが、もし相手のほうが釣り慣れてるようであれば、その方にやってもらったほうがいいでしょう。
慣れてる方に任せたほうが早くほどけるので、お互いにとって良いと思います。
もし複雑に絡んでいた場合は、仕掛けを切ってもいいです、と伝えましょう。
オマツリをほどいてもらったら「ありがとうございます」の挨拶を忘れずに。
細糸・PEラインを使ってる人は、糸の扱いに関して神経質です。
もしオマツリして、相手がほどこうとした場合、無理にほどこうとして糸に傷がつくことを不安に思うわけです。
管理人もPEラインを使うことが多いので、もしオマツリした場合は自分から進んでほどくようにしています。
竿をあおって仕掛けを動かしてるとき(エギング、ショアジギングなど)
仕掛けが海面近くまできたら、竿をあおって動かすのはやめるように。
仕掛けが海面近くにある状態で、竿を強くあおると、仕掛けが勢いよく飛び出してきます。
針・フックがついてる仕掛けがこちらに向かって飛んでくるので危険です。
小さな子供の場合、竿をあおったりして遊び始めることがあります。
家族で釣りをされる方は十分注意してください。
ちなみにそういう行動は、大抵、魚がなかなか釣れなくて釣りに飽きてしまったというサインです。
保護者の方は察してあげて「釣りは一旦休憩して、別の遊びでもする?」といった感じで気分転換してあげるといいかもしれません。
仕掛けが海底に引っかかったとき(根掛かり)
こちらを参照。
⇒根掛かりしたときの対処法
仕掛けを投入したまま竿を地面や三脚に置く場合(置き竿)
大きな魚がかかった時に備え、以下を行いましょう。
- リールのドラグを緩くする。
- ロープで竿を柵などに繋いでおく。
上記をやり忘れた場合、魚に竿を持ってかれてしまうことがあります。
船が近づいてきたとき
仕掛けを投げてアタリを待っていた場合、すぐにリールを巻いて仕掛けを回収するように。
釣り場の管理者・関係者に声をかけられたら
もし、釣り場の管理者・関係者から指示があった場合、必ず従うようにしてください。
例えば、そこで釣りをするのはやめるように、と言われることがあります。
海釣り施設であれば、天候が悪くなるといった安全上の理由で言われることがあります。
漁港であれば、漁師などの漁業関係者が作業の邪魔になるという理由から言われることがあります。
魚が釣れたとき
初めて見る魚が釣れたら
知らない魚、見たことない魚が釣れたら、むやみに触らないこと。
もし近くに釣り人がいたら、「これは何の魚ですか?」「触っても大丈夫ですか?」と、この魚は安全かどうか聞いてみるといいでしょう。
見たことない魚から針を外す際は、濡れタオル、メゴチバサミ、フィッシュグリップなどを使って魚を掴むように。
針を外す道具についてはこちらを参照。
⇒魚から針を外すのに必要な道具
海釣りでは色んな魚が釣れます。
魚の中にはトゲがあったり、刃物のような鋭利な部分があったりします。
そういった魚を素手でつかむと、手や指を怪我してしまう恐れがあります。
またトゲに毒をもつ魚もいて、刺されると激痛で釣りどころではなくなります。
危険な魚についてはこちらを参照。
⇒素手で触ってはいけない——海で釣れる危険な魚・生き物と対処法
危険な魚・生き物が釣れたら
危険な魚・生き物が釣れた場合、以下の方法のどれかで対処します。
- 片方の手はメゴチバサミやフィッシュグリップを使って魚を掴み、もう片方の手はプライヤーを使って針を外す。
- ハリスを切って逃がす。
針をうまく外す自信が無ければ、無理をせずハリスを切って逃がすようにしましょう。
特にアカエイやウツボはかなり危険なので、そういった危険度の高い魚が釣れたらハリスを切って逃がすように。
釣り慣れてる人であれば、危険な魚・生き物でも、うまく針を外して逃がしてあげることもできます。
ただ、釣りを初めて間もない方が無理をして針を外そうとした場合、咬まれたり毒針に刺されたりして早急に病院に行かないといけない事態に陥る危険があります。
現在は新型コロナが流行っています。
感染者数などの状況によっては、ケガをしたとき、病院ですぐ治療を受けられるかどうか分かりません。
なので、危険な魚が釣れたら無理をせずハリスを切って逃がすようにしましょう。
小さな魚が釣れたら
もし小さな魚、魚の子供(幼魚)が釣れたら、なるべく逃がしてあげましょう。
以下のような、逃がしてもすぐ死んでしまうような場合を除き、なるべく海に帰してあげてください。
- 釣り針を飲んでしまっている
- エラから血が出ている
どれぐらいの大きさなら持って帰ってもいい?の具体的な目安はこちら。
⇒釣魚別・リリースサイズ、キープサイズの目安一覧
釣った魚を持ち帰って食べる場合
こちらを参照。
⇒釣った魚の持ち帰り方——キープの仕方や必要な道具について
食べられない魚について。
⇒海で釣れる食べられない魚・毒魚
スマホで写真を撮ってSNSに投稿する場合
こちらを参照。
⇒地元の釣り場を大切にしたい方へ~スマホを使うときに気をつけること
帰るとき
ゴミがある場合
ゴミは持ち帰るように。
海釣り施設によってはゴミを捨てる場所があるので、施設のルールに従ってゴミを捨てるようにしてください。
エサが余ったら
余ったエサは持ち帰るように。
例えば数日後また釣りに行く予定であれば、余ったエサを持ち帰って保存します。
使わないのであれば、燃えるゴミとして処分します。
余ったコマセ(アミエビ)は、ビニール袋や容器に入れて冷凍するといいです。よほど痛んだものでなければ再解凍しても問題なく使えます。
余ったアオイソメは、容器に入れて冷蔵庫で保存します。活きが良ければ、1週間程度なら生きた状態のまま保存することができます。
地面や柵を汚していたら(コマセやイカスミなど)
もし地面をコマセで汚していたら、水汲みバケツで海水を汲んで、汚れを流しておきましょう。
できればブラシを使ったほうがいいです。(ブラシは100円ショップので十分)
地面に落ちて乾いたコマセは、ブラシを使わないと落とせないです。
またエギングなどでイカを釣ったとき、イカが吐いたスミで地面が汚れてしまうことがあります。
汚れがイカスミの場合、海水を流すだけではスミ汚れは落ちません。
ブラシも使って可能な限りきれいにしておくのが望ましいです。
※ちなみにブラシがあると、釣り場でコマセバケツやトリックサビキ用のエサつけ器を掃除するのに便利です。