海釣りで使うスピニングリールの選び方について。
目次
選び方のポイント
スピニングリールには様々な種類・大きさがあります。
多数ある中から自分にとって必要なスピニングリールを選ぶには、「どんな釣りをするのか?」を決める必要があります。
▼リールを買うまでの流れ
- どんな釣りをしたいか決める。
- その釣りで使うタックル(竿、リール、ライン)の詳細について調べる。
- その釣りで“必要なスペック”の条件を満たすリールを探す。
目的(釣り)が具体的であれば、必要なもの(釣具)がはっきりと分かるようになります。
もし、まだどんな釣りをするのか決まっていない方は、まず自分がやってみたい釣りを選んでみましょう。
▼海釣り入門向け
▼ルアーフィッシング
▼その他
近所の釣り場で今釣れてるもので決める。
インターネットで情報収集するのも有りですが、とりあえず近所の釣具店に行って聞いてみるのが手っ取り早く確実な情報が得られるでしょう。
竿・ロッドから選ぶ
使用する竿が決まってる方は、以下の記事を参考にリールを選んでみてください。
手持ちの竿とリールを色々組み合わせて、どれが合うか調べた結果をまとめてあります。
スピニングリールの種類と入門向けのおすすめ
汎用
汎用タイプは、サビキやちょい投げなどの堤防釣りを始め、様々な釣りに使えるタイプ。
スピニングリールといえば、大抵このタイプを指しています。
汎用タイプから選ぶ場合、やりたい釣り(使用する竿)に合った大きさのリール(品番・番手)を選ぶようにします。
以下、各メーカーの入門向け機種。
シマノ
釣り初心者であれば、「FX」「シエナ」がおすすめ。ラインがすでに巻かれてあるので、ラインを買って自分で巻く必要はありません。値段は3千円前後から。

PEラインを巻きたい場合、ネクサーブ(約5千円~)から上の機種。シャロースプール仕様のものがラインナップされています。

ダイワ
ダイワのリールで入門向けなのは「ジョイナス」「ワールドスピン※」。シマノのFXやシエナと同様に最初からラインが巻かれてます。値段は3千円前後から。
※ワールドスピンのCFモデル(色がシルバー)はライン無し。

PEラインを巻きたい場合、リーガルから上の機種にシャロースプール仕様のものがラインナップされています。
ちなみに2018年頃から新仕様「LT(LIGHT TOUGH)」のスピニングリールを展開、品番が一新されています。
LTシリーズの品番とサイズはシマノに寄せてるようなので、「ダイワのLTシリーズとシマノの品番とサイズは大体同じ」と考えてよいでしょう。

投げ・遠投
スピニングリールの中には、遠投に特化した専用機種があります。
遠投リールは以下の特徴があります。
- スプールが大きくラインが放出されやすい形状
- ハンドル一回転あたりの巻き取り量が多い
- 巻取る力があるので遠投した仕掛けの回収が楽
このタイプのリールは、主に投げ釣りやカゴ釣りで使われます。
大型サイズなので、サビキでイワシや小アジを狙うといった堤防釣り用途には向いてません。
遠投・投げ専用リールには、ドラグが無いタイプと有るタイプがあります。
ドラグ無しのタイプは、主に砂浜でのシロギス釣りに使われます。

ドラグが無い理由は以下の通り。
- ドラグがあると、キャスト時にドラグを締めてなかった場合、ドラグが効いて人差し指に引っかけてあるラインが滑って指の腹を切ってしまう恐れがある。
- シロギスのような小型の魚を狙う場合は、ドラグは無くても問題ない。
ドラグ有りのタイプは、様々なターゲットを狙う場合に使われます。
シロギスやカレイ、ブッコミ釣りや泳がせ釣りでの大物狙い、本格的なカゴ釣りなど。

遠投・投げ専用リールの中には、ドラグのON/OFFを瞬時にできる機能が備わっているものがあります。
通常のリールだと、ドラグをロックまたはフリーにしたい場合、ドラグノブを締めたり緩めたりする動作を何回か行う必要があるため少し時間がかかります。
一方、ドラグのON/OFFを瞬時にできる機能を備えたリールの場合、ドラグノブをほんの少し回すだけでドラグをロックまたはフリーにすることができます。
- シマノであれば「ハイスピードドラグ」「ツインドラグ」を搭載したリールが該当。
- ダイワであれば「クイックドラグ(QD)」を搭載したリールが該当。
以下、各メーカーの入門向け機種。
シマノ
値段はいずれも7~8千円前後から。
ダイワ
- ファインサーフ35(ドラグ無し)
- クロスキャスト(ドラグ有り、クイックドラグ搭載モデル有り)
- ショアキャスト SS(ドラグ有り)
値段はいずれも7~8千円前後から。
その他
スピニングリールには特定の釣り用として作られた専用機種が沢山あります。
興味のある方は各メーカーサイトをチェックしてみてください。
シマノ
ダイワ
その他メーカー
補足:用途に合った機能を知る
スプール
ノーマル
一般的なスプール。番手に特に表記がないものはこのタイプにあたります。深溝スプール、ディープスプールともいいます。
溝が深いため、様々な太さや長さのラインを巻くことが可能。

特にナイロン・フロロカーボンラインを巻くのに向いています。
細いラインを巻きたい場合は、下巻きが必要。
※下巻きとは、使用する道糸を巻く前に、使わなくなったライン等を巻いて底上げすること。
下巻きのやり方についてはこちらを参考
⇒リールにラインを巻く(下巻きありの場合)
ちなみに、シマノの古い機種にはエコノマイザーと呼ばれる上げ底パーツがついているものがあります。(13ナスキー、11バイオマスターなど)

シマノの現行モデルの中には上記のエコノマイザーを取り付けられるものがあります。
※例えば、先ほどの「17サハラ C5000XG」には「11バイオマスター C5000」のエコノマイザーを取り付けることが可能。エコノマイザーを取り付ければ、PE1.5号150mをちょうどよく巻けるようになる。
シャロースプール
文字通り、溝が浅いスプール。(浅溝スプールとも呼ぶ)
細いラインを巻くのに向いています。PEラインなどの細いラインを使いたい人向け。
特にルアーフィッシングではPEラインを使うのが主流なので、シャロースプールのリールが人気。
◆該当する品番
- シマノだと「1000S」「2500S」など。番数の後ろに「S」がついてるもの。
- ダイワ(LTシリーズ)だと「LT2500S」「LT3000S」など。番数の後ろに「S」がついてるもの。
- ダイワ(旧型)だと「2506」「2004」など。番数2桁の数字が0以外のもの。


ハンドル

シングルハンドル(I型ノブ)

ライトなルアー釣り(メバルやアジ、またはニジマスなどの管釣り等)で使われる小型リールは大抵このタイプ。
シングルハンドル(T型ノブ)

T型ノブは指の間に挟んで握れるため、I型ノブより力を入れて巻きやすい。
ダブルハンドル

ハンドルノブが2つ付いてるタイプ。
主に、ルアー(エギング、アジ・メバル等のライトゲーム)、堤防の岸壁際などでの探り釣りといった用途に向いています。
◆メリット
- シングルハンドルと比べて重心のバランスが取れてるためスムーズに巻ける。
- 巻くのを止めたときにハンドルが勝手に回らない。
(シングルハンドルは重心がノブ側によってるため、ハンドルを止めたときに勝手に回ってしまいやすい) - ハンドルを目で見なくてもつかみやすい。
◆デメリット
- シングルハンドルと比べて重さがある。
- ダブルハンドルのリールは値段がやや高め。
◆該当する品番
- シマノだと「C3000SDH」「C3000HGSDH」など。品番内に「DH」の表記があるもの。
- ダイワ(LTシリーズ)だと「LT3000S-CH-DH」など。品番内に「DH」の表記があるもの。
- ダイワ(旧型)だと「2506H-DH」「2508PE-H-DH」など。品番内に「DH」の表記があるもの。
パワーハンドル

ハンドルノブが大きな形状をしているタイプ。
手のひらでハンドルノブをつかめるので、T型ノブよりも力を入れて巻くことができます。
引きの強い魚・大型の魚とやりとりするときに有利。
また、投げ釣りで遠投した重たい仕掛けを回収するとき、巻き上げが楽。
投げ釣り、カゴ釣り、ショアジギング、オフショアゲーム向けの大型リールであれば、大抵パワーハンドル仕様。
ギア比
ハイギア
通常のギア比と比べてハンドル1回転あたりの糸巻き量が多い。
ルアーを早く動かしたり、ロッドをしゃくったあと糸フケを素早く巻き取るような釣り方に向いています。青物・ショアジギング、エギングなど。
デメリットは、通常のギア比と比べて巻き心地が重ため。
例えば、重たい仕掛けを遠くに投げて回収するとき、ハンドルを早く回すにはそれなりに力が必要です。
ギア比が高くなるほど重たく、仕掛けが重い場合や魚がかかったとき、巻く動作に負担がかかる点に注意。
◆該当する品番
- シマノだと「C3000HG」「4000XG」など。品番内(数字の後ろあたり)に「HG」「XG」の表記があるもの。
- ダイワ(LTシリーズ)だと「LT2500S-H」「LT3000S-CXH」など。品番内(数字の後ろあたり)に「H」「XH」の表記があるもの。
- ダイワ(旧型)だと「2506H」「3012H」など。品番内(数字の後ろあたり)に「H」の表記があるもの。
パワーギア
通常のギア比と比べてハンドル1回転あたりの糸巻き量が少ない。
ルアーをゆっくりと動かす釣り方、メバリング・アジング向け。
また、巻き取る力が強いので、大物狙いの釣り、オフショアでのジギングなどにも向いています。
◆該当する品番
シマノだと、品番内に「PG」の表記があるもの。
ドラグ
ドラグとは、ある程度の力でラインが引っ張られるとスプールが回転してラインが出ていく仕組みのこと。
大きな魚がかかったとき、強い引きでラインが切れるのを防ぐことができます。

ドラグの調整は、上部のつまみ(ドラグノブ)を回します。

時計回しでドラグがより強く効き、反時計回りでドラグがゆるくなります。反時計回しを続ければ、ドラグノブが取れてスプールを外すことができます。
ドラグの性能面については、シマノやダイワの現行機種であれば、入門向けでもきちんと動作するので安心して使用することができるでしょう。
ストッパーレバー(逆転レバー)
ストッパーレバーとは、ハンドルを逆回転できる状態に切り替えるレバーのこと。
ストッパーレバーの位置は、以下の写真のようにリールのボディに付いてます。


このレバーはラインを出したいときに使います。
具体的には、以下の用途で使うことがあります。
- 投げるとき、タラシをもう少し長くしたい場合。
- サビキ釣りなど、足元の水深がある釣り場ではタナ取りに使える。例えば、仕掛けを海面からハンドル三回転ほど下ろしたところで釣れたら、タナは上からハンドル三回転分だと分かる。
- 探り釣りのとき、ハンドルをゆっくり逆回転させて仕掛けを落とし込む。
- リールのローターの部分にラインを巻き込んでしまったとき。
- 大きな魚とやりとりするとき。特にドラグ無しリールの場合。
海釣りではサビキ釣りなどのタナ取りに使えるので、一台のスピニングリールで様々な釣りをする場合はストッパーレバーが付いてるほうがいいでしょう。
補足:各メーカーのスピニングリールの品番・番手の見方
詳細は以下の記事を参照。
⇒スピニングリールの品番・番手の見方