ルアー(プラグ系)の種類

ミノープラグ

外見が小魚に似せてあり、リールを巻くだけでまるで生きた小魚のように泳ぐのが特徴。ミノープラグはアクションや浮力・潜行深度(レンジ範囲)の違いによって、釣り場の様々なポイントを攻略することができます。そのため、各メーカーから特定のポイントの攻略に最適化されたミノープラグが数多く出回っています。

◆ノーマル
リップのついた小魚を模した形状で、最もオーソドックスなタイプ。浮くタイプをフローティングミノー、沈むタイプをシンキングミノーと呼びます。

◆リップレス系
リップがついていないタイプ。泳ぎはキビキビとしたものではなく、フラフラとごく僅かな動きをするものが多いです。ごく浅い層を泳がせるフローティングミノー(シャローランナーと呼ばれるもの)に多いタイプ。

◆ペンシル系
棒状の形状をしたタイプ。シンキングペンシル。リップがついてないので動きはおとなしめで、ユラユラと左右にボディを振るような泳ぎをするものが多い。また水の抵抗を受けにくい形状のため、リトリーブするとすぐに浮き上がってきます。そのため中層~表層を攻略するのに向いているタイプです。

◆ダイビング系
長くて大きなリップが特徴で、足下まで浮き上がらず深く潜るルアー。ロングビルミノーとも呼ばれます。足場の高い場所、水深のあるポイントを探りたい場合に有効。また、フローティングタイプは根掛かりに強く(底に当たるとき大きなリップが当たるためフックが底に引っかかりにくい)ボトム攻略に活躍します。

トップウォータープラグ

水面で逃げ惑う小魚を演出するためのルアー。ただ巻きだけではアクションしないものが多く、トゥイッチやジャークといったルアー操作が要求されます。トップウォーターでのゲームは、魚がルアーにアタックする瞬間をその目で見ることができるため、数あるルアーの中でも特にエキサイティングなゲームが楽しめるのが魅力です。

◆ポッパー系
前方にカップ状に開いた口が特徴で、ロッドをあおって動かすことでカップが水を受けて「ポコッ」といった音が出ます(ポッピング)。ポッピングと早巻きによる水しぶき(スプラッシュ)で魚を誘い出すためのルアーです。カップが大きいポッパーはポッピングで使うのに向いており、カップが小さいポッパーはスプラッシュさせて使うのに向いています。

◆スプラッシャー系
ヘッドが斜めにカットされたタイプ。ポッパーのようにポッピングやスプラッシュさせて使います。また、ペンシルベイトのようにスローリトリーブでトゥイッチすると左右へスライド(ダート)しながら波紋を残すアクションをさせることもできます。

◆ペンシル系
棒のような形をしたタイプ。ただ巻きだけではアクションしないので、ロッドを動かしてアクションさせるのが基本的な使い方となります。代表的な動かし方として「ドッグウォーキング」と呼ばれるテクニックがあり、ロッドを繰り返しあおることでルアーの頭が左右に振り続けるような動きをします(要領はトゥイッチングと同じ)。

バイブレーションプラグ

外見は扁平で体高がある小魚のような形をしており、ミノープラグのようにリップがついてなく、ラインアイが背中あたりにあるのが特徴。名前の通り小刻みに振動するようにアクションします。他のプラグと比べて重さがあって沈みが早い(バイブレーションプラグはシンキングタイプのものがほとんど)ため、遠投するときや中層から底層を攻略するのに向いています。

プラグについての基礎知識

各部の名称

◆リップ
ルアーの動きをコントロールする重要なパーツのひとつ。ミノープラグによっては頭の形状がリップの役割を果たすものがあります。バイブレーションプラグやジグなどにはリップはついていません。

◆ラインアイ
ラインを結ぶ部分。基本的にラインアイとラインを直結するとルアーの動きが悪くなるため、フリーノットで結ぶかスプリットリングを介するかスナップを使うことになります。スナップを使う場合はスプリットリングは不要です。

◆ボディ
ルアーの本体。素材には主にプラスチックやバルサなどの木材、金属などが使われています。

◆フックアイ
フックを装着する部分。

◆フロントフック(ベリーフック)
ラインアイに近い側にセットされているフックのこと。

◆リアフック(テールフック)
ボディの後ろにセットされたフックのこと。

◆スプリットリング
フックアイとフックを繋ぐリング。スプリットリングの脱着には、スプリットリングを開く道具(スプリットリングプライヤー、スプリットリングオープナーなど)が必要です。

浮力について

◆フローティング
ルアーの比重が海水より軽く水面まで浮かぶタイプ。ルアーの比重がフローティングだと分かるように、製品名に Floating の頭文字「F」がついているものがあります。

◆シンキング
ルアーの比重が海水より重く底まで沈むタイプ。ルアーの比重がシンキングだと分かるように、製品名に Sinking の頭文字「S」がついているものがあります。

◆サスペンド
ルアーの比重が水と大体同じで水中にとどまるタイプ。ルアーの比重がサスペンドだと分かるように、製品名に suSPend の大文字部分「SP」がついているものがあります。サスペンド仕様のルアーは淡水用(バス用)のものが多い。

アクションについて

◆ウォブリング
ルアーを上から見て真ん中あたりを軸に、両端が左右に振る動き。

◆ローリング
ルアーを真正面(ラインアイがついている方)から見て、ペンを転がすように左右に回転する動き。

◆ウォブンローリング
ウォブリングとローリングを組み合わせた動き。

◆ スラローム
フラフラと左右に移動する動き。S字系、蛇行系アクションとも呼ばれる。

重心移動システム

重心移動システムとはルアーをより遠くへ飛ばすための仕組み。主にミノープラグに採用されているシステムです。

仕組み自体は、ルアーの重心となるウエイトの玉が頭寄りか尻尾寄りかのどちらかに移動させることができるというもの。キャストするときは、ルアーの姿勢が立った状態(頭が上で尻尾が下)のため、ウエイトの玉が尻尾寄りになって遠くへ飛ばすのに必要な遠心力をより強く働かせることができ、飛行姿勢が安定します。ルアーが泳いでいるときは、ルアーの姿勢が水平から頭がさがる前傾姿勢となるため、ウエイトの玉が頭寄りになってルアー本来のアクションで泳ぎます。

昔のルアーは固定重心だったため、キャストしたとき空中で回ったりして飛行姿勢が安定せず、空気抵抗が多くなり飛距離が落ちやすいのが欠点でした。しかし、重心移動システムが生まれたことによりその問題を軽減することに成功し、今では現行モデルのルアーのほとんどに重心移動システムが採用されるようになっています。

プラグのチューニング方法

特殊な道具はいらず現場で簡単におこなえるチューニング方法について。

◆ラインアイ曲げ
ミノープラグなどはラインアイを左右のどちらかに曲がった状態にして泳がせると、アイの曲がった方向に向かうように泳ぐ性質があります。これを利用して岸壁の際ギリギリにルアーを泳がせるなど、ポイントをよりタイトに攻めることができます。ラインアイの曲げ方は、プライヤーを使ってゆっくりと曲げるだけ。注意点として、このテクニックができるのは貫通式のワイヤーフレームに限ります。それ以外のもの(アイをプラスチックのボディに挟んだだけのような作りのもの)は破損する恐れがあります。

◆フックのサイズを変える
フックの大きさによってルアーのアクションや浮力に影響してきます。これを利用して釣り場の状況に応じてフックを変えてやることで魚のヒット率を高めることができます。ただし、ルアーによっては意味が無かったりアクションが破綻する場合がある点に注意が必要です。

サイズアップ…ルアーのアクションが控え目になる、フローティングタイプであれば浮上速度が遅くなる、針掛かりが良くなる。

サイズダウン…ルアーのアクションが派手目になる、フローティングタイプであれば浮上速度が早くなる、針掛かりが悪くなる。

 

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