初心者におすすめの釣り方のひとつ、堤防・海上公園での探り釣りについて。
狙うポイントは、堤防・海釣り施設・海上公園の岸壁(ヘチ)です。
消波ブロック(テトラポッド)での穴釣りとは異なり、足場が不安定な場所での釣りではないので、安全に楽しむことができます。
堤防・海上公園での探り釣りで釣れる魚
堤防などの岸壁では様々な魚が釣れます。
堤防・海上公園での探り釣りで使うタックル
堤防・海上公園での探り釣りで使うタックルはリール竿。軽いものがおすすめ。
具体的には以下ようなものです。
※すでにサビキ釣りやちょい投げ釣りなどで使ってるタックルがあれば、それも使えます。
竿 | シマノ ホリデーパック 20-180T |
リール | シマノ 19 シエナ 2000 |
道糸 | ナイロン2号 |
コンパクトに仕舞える万能振出竿。(写真の状態で約45cm)
竿の長さは1.8m。堤防での探り釣りで使う場合、2m前後の長さが軽くておすすめ。
リールはハンドルが逆回転できるものを推奨(ストッパーレバー付きのもの)。
竿 | ダイワ クロスビート 764TULFS(旧モデル) |
リール | シマノ 18 ネクサーブ 1000 |
道糸 | ナイロン2号 |
竿やリールは、ルアーでのメバルやアジングに使えるもの。
軽いので長時間手に持っていても疲れにくいです。
竿のスペックは、長さ約2.3m(7フィート6インチ)、ロッドパワーUL、適合ルアー0.8~7g。
リールはシマノ1000番クラス。ナイロン2号が100m巻ける。
※写真のネクサーブにはPEラインを巻いてますが、釣り初心者ならナイロンライン推奨。
竿 | ティガ ディバイド メバル(廃番?) |
リール | ダイワ レブロスMX 2004(廃番) |
道糸 | ナイロン2号 またはPE0.6号+リーダー2号 |
管理人がよく使っているライトゲームタックル。
竿のスペックは、長さ約2.3m(7フィート6インチ)、ロッドパワーUL、適合ルアー1~7g。
リールのサイズは、ダイワの現行機種だとLT2000クラスに相当。
堤防・海上公園での探り釣りの仕掛けとエサ
仕掛け
▼仕掛け構成
- 丸型オモリ
- サルカル(ヨリモドシ)
- 糸付き針
シンプルな1本針仕掛け。穴釣りの仕掛けと一緒です。
丸型オモリの重さは2号がメイン。それ以外の号数も用意します(1号、2号、3号を用意)。水深や流れの速さによって重さを変える必要があるからです。
サルカンのサイズは#12。高強度タイプであれば#6。
糸付き針は、丸セイゴや伊豆メジナがおすすめ。メインは丸セイゴ8~9号や伊豆メジナ8号を使用。伊豆メジナ6号はメジナなど口の小さな魚狙いに。
ハリスの長さは10cmほどにします。(針からサルカンまでの長さ)
※胴付き仕掛けについて
胴付き仕掛けは、堤防の探り釣りでは定番の仕掛けのひとつ。
ただ、この記事で紹介するやり方だとやや不向きなので、管理人はあまり使わないです。
仕掛けが絡まりやすい、針数が多いので根がかりしやすく外れにくい、すべての針にエサをつけるのは時間がかかって手返しが悪い、といったデメリットがあるからです。
エサ
堤防・海上公園での探り釣りで使うエサは、アオイソメやジャリメ(石ゴカイ)。
必要なエサの量は3~4時間で20gが目安。
仕掛けは1本針なので、ちょい投げ釣りほど消費することはありません。
堤防・海上公園での探り釣りのやり方
1. 仕掛けの針にエサをつける
エサ(アオイソメ)のつけ方については、こちらの記事を参考に。
⇒仕掛けの針にエサをつける(ちょい投げ釣りの始め方)
針に付けるエサ(アオイソメ)の大きさについて
探り釣りの場合、針に付けるアオイソメの長さは1/4~1/3程度が目安。
カサゴ・ソイ・メバル・スズキなど、口の大きな魚であれば、アオイソメを大きめにつけても問題なく食ってきます。
メジナやカワハギなど口が小さな魚の場合、アオイソメの尻尾側の細い部分を使ったほうが針がかりしやすいです。(あるいはジャリメ・石ゴカイを使う)
2. 岸壁(ヘチ)に仕掛けを落として探っていく
針にエサをつけたら、仕掛けを堤防などの岸壁(ヘチ)に落とします。
仕掛けと岸壁までの距離は20~30cmぐらいまでを目安に。
あまり近すぎると、岸壁に付いてるカキ殻やイガイに仕掛けや道糸が引っかかってしまうことがあるので注意。
岸壁(ヘチ)の探り方には2通りの方法があります。
- 縦(垂直)に探る
- 横(水平)に探る
縦(垂直)に探る
ケーソンの隙間、岸壁に設置してあるハシゴ周りを探る場合に。
※リールにストッパーレバー(ハンドルが逆回転できる機能)がある機種限定のやり方。
※ケーソンの隙間を探る場合、道糸はナイロン2号以上推奨。
やり方は、リールのハンドルをゆっくり逆回転させて仕掛けを下ろして探ります。
仕掛けを動かすスピードは、リールのハンドル1回転につき6~7秒ほどが目安(1秒間に10cmぐらい動かすイメージ)。
途中で仕掛けを下ろすのを一旦止めて、しばらくアタリを待つのも有効。
横(水平)に探る
仕掛けを任意のタナまで落としてから、横移動して探るやり方。リールは巻かないです。
仕掛けを動かすスピードは、1秒間に10cmぐらいが目安。
タナは最初は底から始めるといいでしょう。
例えば、5秒かけて50cmほど仕掛けを動かしたら一旦止めて10数える、の動作を繰り返す。
横移動しながら、竿を上げたり下げたりして縦にも探りを入れるやり方もあります。
横移動しながら、竿の長さの分だけ縦方向も探っていきます。
3. アタリがあったとき(アワセ方)
アタリがあったときは「聞きアワセ」が基本。
聞きアワセのやり方は、竿をにぎってる手元に「コンコン」「グングン」といった感触があった場合、探るのを止めて、竿をソーッとゆっくり上げてみます。
魚の重み・魚が暴れる感触があったら、そこでアワセを入れます。
竿をソーッと上げてみて魚がかかってる様子が無い場合は、竿をゆっくり下して仕掛けを元のタナまで戻し、しばらくアタリを待ってみます。(目安は1分ぐらい)
待ってもアタリが無かった場合、仕掛けを回収して針にエサが付いてるか確認します。
エサが取られていたら、つけ直して、もう一度アタリがあった場所に仕掛けを落としてみます。
アワセを入れたけど魚がかからなかった場合
アワセが空振りした場合、その魚は警戒してエサに食いついてこなくなることがあります。
ひとまず、針にエサをつけ直して(エサが残っていてもつけ直す)、もう一度アタリがあった場所に仕掛けを落としてみます。
しばらく待ってみてアタリが無かった場合、その場所を探るのは一旦止めて、別の場所を探るようにします。
20~30分ほど経ってから、先ほどの場所にもう一度仕掛けを落としてみます。
時間が経ったことで警戒心が薄れた魚が、再び仕掛けに食いついてくることがあります。
4. 魚を釣り上げる
魚が針がかりしたら釣り上げます。
ケーソンの隙間でかかった場合
急いでリールを巻きます。
もたもたしてると魚に張り付かれてリールが巻けなくなることがあります。
岸壁(ヘチ)でかかった場合
魚がかかったら、できるだけ岸壁から魚が離れるように竿を持ってやりとりすること。
理由は2つあります。
1つ目は、魚が岸壁に張り付いてしまうことがあるため。
特にカサゴなどの根魚は針にかかると岸壁に張り付いたり、隙間があったらそこに潜り込もうとします。メジナも根に潜る習性があります。
岸壁はフラットのように見えて、海中では上からでは見えない凹凸があったりします。
そういったところに魚が張り付いてしまうと、リールが巻けない、竿で引っ張っても魚が出てこない、根がかりのような状態になります。
※魚に張り付かれた場合の対処法については後述。
2つ目は、やりとりの最中に道糸が切れてしまう恐れがあるため。
岸壁にはカキ殻・イガイ(カラス貝)・フジツボが生えていることがあります。
もし魚とやり取りしてる最中に、道糸が岸壁に付いてるカキ殻などと擦れてしまうと切れてしまう恐れがあります。
以上の理由から、魚がかかったらなるべく岸壁から魚が離れるようにやりとりします。
具体的には、竿を持つ側の腕を水平に沖に向かってのばした状態にしてやりとりします。
※岸壁のハシゴ周りで魚をかけた場合、ハシゴに道糸が引っかからないように注意。
魚が岸壁に張り付いた・隙間に潜られたときの対処法
例えばカサゴなどが岸壁や根に張り付いてしまい、根がかりのように動かなくなってしまった場合。
対処法は、道糸を軽くゆるめて、そのまま待ちます。
時間は5~10分ほどを目安に。※置き竿にする場合はドラグを緩めること。
魚の警戒心が薄れ、張り付くのを止めて外に出てくることがあります。
5~10分ほど経ったら、竿をゆっくりと上げて、ソーッと引っ張ってみます。
根がかりの重さではなく魚の重みを感じたらチャンス。急いでリールを巻いて魚を釣り上げます。
魚を海面まで寄せたら(取り込み方)
魚が海面まで浮いてきたら取り込みます。
魚が小さい場合は竿を立てて抜き上げます。
魚が大きい場合は玉網を使ってすくいます。
探り釣りで釣果をあげるコツ・ポイント
探り釣りで釣果をあげるコツ・ポイントについて。
3つあります。
アタリが無ければ移動、探る数をこなす
探り釣りは「足で釣る」と例えられるタイプの釣りです。
アタリが無ければ別の場所に移動して、どんどん探っていくのが釣果をあげるコツです。
アタリが無いのにいつまでも同じ場所で粘るのは、釣れない原因となります。
魚がいれば大抵すぐアタリが出ます。
潮の流れに合ったオモリを使う
例えば潮の流れが早い場合、オモリを増やすこと。
オモリが軽いと仕掛けが流されます。(斜めになる)
流れが早くて仕掛けのオモリが軽い場合、魚が付いてるポイント・タナを探ってるつもりでも、実際は仕掛けの位置がずれています。
そうなるとアタリは遠のきます。
海釣りの場合、潮の満ち引きがあり、その日・時間によって釣り場の流れの早さが変わります。
特に大潮の満潮から下げの時間帯は流れが早いです。
なので、その日の状況・潮の流れに対応できるように、仕掛けのオモリの号数はいくつか用意したほうがいいです。
(管理人の場合、丸型オモリを1~3号を複数用意して使っています)
日中より夜釣りのほうがいい場合もある
日中の場合、探り釣りで釣れるポイントは大体決まっています。
例えば、ケーソンの隙間など、暗がりになってる場所です。
なので、探り釣りでは魚が付いてるポイントに絞って探れば、効率よく釣果をあげることができます。
しかし、実際はそう単純ではありません。
例えば土日の混雑した釣り場では、目ぼしいポイントはすぐ探られてしまいます。
すでに魚を釣られた後のポイントばかり探っていても、なかなか釣果はあがらないでしょう。
探り釣りの場合、人が多い釣り場だと早い者勝ちの展開になりがちです。
夜の場合、暗がりに潜んでいた魚がエサを求めて外へ移動します。
昼間、魚っ気のない岸壁でも、夜になると魚が釣れるようになったりします。
個人的には、探り釣りは土日の混雑した釣り場でやるより、平日の夜・仕事終わりにでもやるほうが釣りがしやすくストレスが少ないのでおすすめです。
ちなみに、なぜ魚が岸壁に寄るのか?というと、岸壁には魚のエサとなる生き物がいるからです。