海釣りの代表的なスタイルのひとつ「ちょい投げ」について。
これからちょい投げ釣りを始めようとしてる方、釣り初心者の方を対象とした内容です。
ちょい投げ釣りで必要なもの
タックル
ちょい投げ釣りに使えるタックルはリール竿。
具体的には以下のリール竿がちょい投げ釣りに使えます。
海釣り入門セット
竿 | スズミ エンジョイスピン 270 |
リール | スズミ SERGEANT-GX 3000 ※糸付き |
道糸 | ナイロン3号 約135m |
近所の上州屋で売ってた海釣り入門セット。
竿の長さは2.7m。15~20号のオモリに対応。
※スズミは上州屋ブランドで実店舗でしか(多分)売ってない。
シーバスタックル
ダイソータックル
その他のリール竿
リール竿は他にも色々ありますが、ちょい投げ釣りでは大抵のものが使えます。
- 短めの磯竿タックル
- バスタックル
- シーバスタックル
- エギングタックル
- ショアジギングタックル(ライトショアジギング用)
- ライトゲームタックル(メバル、アジング用)※オモリ2~3号ぐらいまで
- ボートでのキス釣りタックル
仕掛けを投げることができるタックルであれば、ちょい投げ釣りに使えます。
釣り初心者におすすめのタックル
釣り初心者の場合、3m前後の短い投げ竿タックルがおすすめ。
投げ竿の号数は10~15号。(10~15号のオモリが投げられる)
投げ竿は他の竿と比べて、丈夫でトラブルが少ないからです。
リール竿でよくあるトラブルが、竿先を折ってしまうケース。
投げ竿は竿先が太くて折れにくいので、リール竿の扱いに不慣れな方でも安心して使えます。
リールはナイロンライン3号が150mぐらい巻けるものを。
仕掛け
ちょい投げ釣りで使われる主な仕掛け。
3つ挙げます。
ジェット天秤仕掛け
▼仕掛け構成
- ジェット天秤:8~10号
- 市販仕掛け ※詳細は後述
メインに使う仕掛けとしておすすめ。
ジェット天秤は、キャストするとき仕掛けが絡みにくく、水の中で引っ張ると浮き上がりやすい形状をしています。
投げた仕掛けをリールを巻いて回収するとき、根がかりしにくいのがメリット。
ちょい投げに使うジェット天秤の号数は、8~10号あたりをメインに。
水深のある釣り場や潮の流れが少し早い場所では12~15号あたりを用意するといいでしょう。
キス天秤仕掛け
▼仕掛け構成
- キス天秤(片天秤)
- ナス型オモリ:8~10号
- 市販仕掛け ※詳細は後述
砂浜など根がかりが少ない釣り場であれば、キス天秤仕掛けがおすすめ。
仕掛けをゆっくりと手前に動かして、魚のいるポイントを探る釣り方に向いた仕掛けです。
※海底を引きずったとき、ジェット天秤よりキス天秤のほうが軽く、魚のアタリが分かりやすい。
ちょい投げに使うナス型オモリの号数は、ジェット天秤と同様に8~10号あたりをメインに。
中通しオモリ仕掛け
▼仕掛け構成
- 中通しオモリ:6~8号
- サルカン(ヨリモドシ):#12
- 市販仕掛け(糸付き針) ※詳細は後述
岩が多く、根がかりしやすい釣り場でおすすめの仕掛け。
中通しオモリ仕掛けの場合、1本針が基本。
ハリスの長さ(サルカンから針まで)は30cmぐらいまでが目安。あまり長いと、投げたとき道糸と絡まりやすいからです。
ちょい投げに使う中通しオモリの号数は、6~8号あたりをメインに。
岩が多い釣り場では、軽めのオモリのほうが比較的根がかりしにくいです。
ちょい投げ釣りに使える市販仕掛け
市販仕掛け(幹糸・ハリス・釣り針にあたるもの)は、以下のものがちょい投げに使えます。
- 長さが短い投げ釣り仕掛け
- 船釣り用の仕掛け
- 糸付き針
ちょい投げ釣りでは、仕掛けが根がかりで無くなったり、フグにかじられて針が無くなったりすることがあります。
仕掛けの予備は2~3個以上あったほうがいいです。
エサ
ちょい投げ釣りで使うエサは、基本的に生きた虫エサ(イソメやゴカイ)です。
以下、ちょい投げ釣りでよく使われている虫エサについて。
アオイソメ
ジャリメ(石ゴカイ)
アオイソメやジャリメの必要な量は、竿1本なら2~3時間で30gが目安。
上記の生きエサを触るのに抵抗がある人向けのエサもあります。
パワーイソメ(人工のエサ)
その他・必要なもの
その他のちょい投げ釣りで必要な道具についてはこちら。
⇒海釣りを始めるのに必要な道具と初期費用
ちょい投げで釣れる魚一覧
堤防・防波堤のちょい投げ釣りで釣れる主な魚。
※魚の画像をタップ or クリックすると詳しい説明が見れます。
ちょい投げ釣りのやり方・手順
ちょい投げ釣りのやり方・手順は以下の通り。
1. 仕掛けの針にエサをつける
エサ(イソメ・ゴカイ)のつけ方は、まずエサの頭側に針を刺します。
針と糸が結んであるところ(チモト)の手前まで針を差し込んでいき、針先を出します。
エサ(アオイソメ)のつけ方・手順の動画
針に付けるエサ(アオイソメ)の大きさについて
▼1/2(半分)~1/3
▼針の大きさ+1~2cm程度
アタリはあるけど針にかからない場合に。
シロギスやハゼなど、小さな魚を釣りたいときに有効。
シロギスを釣る場合のちょっとしたコツですが、アオイソメの尻尾側を使うといいです。
頭~真ん中の部分よりも尻尾側のほうが細いので、口の小さな魚でも吸い込みやすく、針がかりしやすいからです。
▼1匹
2. 仕掛けを投げる(キャスト)
針にエサを付けたら仕掛けを投げます。
仕掛けを投げるとき、力まず、フォームを意識して、ゆっくりとした動作で投げるのがコツ。
投げた仕掛けが海底まで沈んだら、リールを巻いてラインを張った状態にします。
ちょい投げでの投げ方(キャスト)の動画
※こちらの記事もチェック。ちょい投げするときの注意点。
⇒キャストするときに気をつけること
3. 投げた後(置き竿 or さびく)
仕掛けを投げた後は、以下のやり方でアタリを待ちます。
- さびく
- 置き竿
さびく場合
ちょい投げ釣りでの「さびく」とは、仕掛けを少しずつゆっくりと手前に動かしていき、魚のいるポイントを探っていく釣り方。
砂浜など、根がかりしにくい場所で有効。
※岩の多い場所だとすぐ根がかりするので、さびくのは止めたほうがいいです。
仕掛けの動かし方は以下の通り。
- 竿をゆっくりとあおる(糸ふけはリールで巻き取る)
- リールをゆっくりと巻く
例えば50cmとか1mほど仕掛けを動かしたら、そこで一旦動かすのを止めてアタリを待つ。
(待ち時間は、目安として10数えるぐらい)
アタリが無かったら、また仕掛けを動かす。
といった動作を繰り返します。
さびいてるとき、底を引きずっている感じが重たくなることがあります。
そこはカケアガリ(海底の傾斜・起伏)になっています。
カケアガリは魚が集まりやすいポイントなので、もし見つかったらしばらく置き竿(後述)にしてみるとよいでしょう。
置き竿にする場合
置き竿とは、文字通り竿を置いた状態にして、アタリを待つこと。
岩場・沈み根が多い釣り場では、置き竿にするのがセオリー。
さびくとすぐ根がかりしてしまい、仕掛けが無くなってしまうからです。
柵のある釣り場であれば、竿を柵に立てかけておきます。
柵のない堤防や砂浜の場合、竿掛け・三脚が必要になります。
※置き竿の注意点については後述。
4. アタリが出たとき
魚のアタリは「ブルブル」「コツコツ」といった感じで手元に伝わります。
置き竿にしてる場合、竿先が「ググン」と動いたり、リールのドラグを緩めていれば「ジーッ」と音が出ます。
アタリがあったら、ひと呼吸置いてから竿を持って、ソーッと竿先を動かしてみます。
そのときに「ブルブル」や「グングン」といった感触があれば魚が掛かっているので、竿を立てた状態でリールを巻いて魚を寄せていきます。
アワセは特に必要ありません。
投げ釣りに関しては基本的に「向こうアワセ(自動的に魚が針に掛かった状態)」になります。
5. 魚を釣り上げる
魚を釣り上げるコツとしては、道糸が常に張った状態になるように意識すること。
道糸がゆるむと魚から針が外れてしまう原因になるからです。
また、急いでリールを巻いたり、竿を荒っぽく動かすのも魚がバレる原因になります。
慌てず落ち着いてリールを巻いて、魚を寄せていきます。
魚を手前まで寄せることができたら、魚を取り込みます。
魚の大きさによって取り込む方法が変わります。
魚が小さい場合
シロギスやハゼなど小さな魚であれば、そのまま抜き上げます。
抜き上げのやり方は、魚を手前まで寄せてきたら、竿を水平ぐらいの状態にします。
そして魚(仕掛け)が海面の位置になるまでリールを巻いたら、竿を立てて魚を手前・陸のほうに移動させます。
魚が大きい場合
魚が大きい場合、無理に抜き上げようとすると、ハリスが切れたりしてバラす可能性があります。
大きな魚は玉網・ランディングネットを使ってすくうようにしましょう。
6. 魚から針を外して、クーラーボックスの中に入れる
魚から針を外すとき、しっかり魚をつかんでから針を外すようにします。
濡れタオルや魚つかみバサミがあると、しっかり魚をつかめます。
針を外したら早めにクーラーボックスに入れるようにしましょう。
ちょい投げで釣れた魚をおいしく食べるためのポイント。
⇒釣った魚の持ち帰り方
失敗しない投げ方(キャスト)のコツ
海釣りを始めて間もない頃、なかなか思うように投げることができない。そんな悩みを持つ人は少なくないと思います。
まずは「狙った方向に投げられる」ことを目標に練習してみてください。
何回投げても、まっすぐ投げられるように。
それができれば、どこの釣り場でも使えるテクニックになります。
狙った方向に投げられるようになるには、以下のポイントを心がけるといいです。
- 力まない
- 投げる動作・フォームを意識する
※投げる動作については上記「仕掛けを投げる(キャスト)」の動画を参照。
投げるとき、遠くに飛ばそうと“力んで”しまうのはよくありません。キャストを失敗しやすいです。
まっすぐ投げるのに力はいりません。
まずは、リラックスした状態で、まっすぐ投げられる動作を体で覚える、というのを意識してみてください。
次に、狙った方向に投げられるようになって、より遠くに投げられるようになりたい場合。
コツは1つです。
投げるとき、腕を早く振るのではなく、竿尻(グリップエンド)を体に引き付けるようにすること。
リールシートを握った側の腕を早く振るのではなく、もう片方の手で握ってる部分(竿尻)を体に引き付けるようにして竿を振ります。
コツが分かれば、腕の力を使わなくても遠くに投げることができるのが分かると思います。
注意点
ちょい投げ釣りでの注意点について。
3つあります。
1. 仕掛けを投げるとき
仕掛けを投げる(キャストする)とき、いくつか注意点があります。
※上記ページ内の注意を怠った場合、他人を怪我させてしまったり、釣り場によっては釣り禁止になってしまうことがあります。
2. 置き竿にする場合
置き竿にするときは必ず以下のどれかを行うこと。
- リールのドラグを緩めにしておく
- ロープで竿と柵をしばっておく
もし大きな魚・引きの強い魚がかかった場合、何も対策してないと竿が海の中へ引きずり込まれてしまいます。
例えば置き竿に大きなエイがかかった場合、あっという間に竿が無くなります。
リールのドラグを調整するときは赤矢印の部分(ドラグノブ)を回す。
反時計回しでドラグが緩くなる。
ドラグが緩くなるとスプールが回転するようになり、道糸を引っ張った分だけ糸が出ていくようになります。
置き竿にするときは、道糸を軽く引っ張ると糸が出ていくようになるまでドラグを緩めるように。
※ドラグノブは反時計回しを続けると外せるようになります。ドラグノブの紛失に注意。
3. ちょい投げで釣れる毒魚
毒魚には「毒針のある魚」と「食べられない魚」の2つのタイプがあります。
毒針のある魚
※写真の赤丸の部分が毒針
釣れたら魚つかみバサミで持つように。素手で触らないように注意。
魚のほかに、地域によってはウミケムシ(Google画像)も要注意。
ちょい投げで釣れる毒針のある魚(毒魚)、素手で触ると危険な魚についてはこちらの記事もチェック。
⇒海で釣れる危険な魚・生き物と対処法
食べられない魚
毒があるので食べられません。釣れたらすぐ海に返してあげましょう。
ちょい投げなどで釣れる、食べられない毒魚についてはこちらの記事もチェック。
⇒海で釣れる食べられない魚・毒魚