ルアー釣りで起こりがちなキャストしたときのライントラブルと対処法について。
スピニングリールの場合
スピニングリールでのライントラブルは、下に巻かれたラインが輪っか状に外に出ている状態でキャストをすると起こります。
キャストしたときに、スプールから放出されるラインが輪っかに引っかかって下に巻かれたラインごと飛び出してしまうのです。
- ルアーをキャストする。
- ルアーが着水したとき、ラインテンションは無くなるので糸フケがでる。またスプールに残ったラインが緩む。
- このままリトリーブをするとラインテンションが無いためスプールにラインが緩く巻かれる。
- ある程度巻くと糸フケが取れてルアーが泳ぎ始める。ここでラインテンションがかかりラインがきつく巻かれる。
- キャストとリーリングを繰り返すと、下の緩んだラインが輪っかになって外に出てくる。
- この状態でキャストすると最初に出て行くラインと輪っかが絡んでライントラブルが発生。
この問題を解決するには「ラインは常にテンションをかけて巻くこと」です
。具体的には、キャストをしてルアーが着水する前にフェザーリング(人差し指をスプールエッジに添えてラインの放出を抑えること)をしてなるべく糸フケを出さないようにする、リトリーブを始める前にロッドをあおってラインテンションがかかってからリトリーブする、といったものです。
また、定期的にスプールを見てラインの輪っかが見られるようなら、一旦釣りを中止して輪っかが出ているところまでラインを出してから巻き直すようにします。
何も考えずにただキャストを繰り返すより、細かいことに気を使うことでスピニングリールでのライントラブルは大幅に減少します。
また、使用するルアーやラインによってはライントラブルが発生しやすいものがあります。
- 軽量なルアー、巻き抵抗の少ないルアー(ラインテンションがかかりにくくラインが緩く巻かれやすい)
- 太いライン、フロロカーボンライン(硬くてコシが強いため緩みやすい)
フェザーリングをしたりラインテンションを意識して巻いてるのにもかかわらずトラブルが起こる場合は、使用しているルアーやラインが上記に当てはまっていないか確認しましょう。
ベイトリールの場合
ベイトリールでのライントラブルは、キャストしてルアーが飛んでいくスピードに対してスプールが回転して放出されるラインの量が多すぎる場合に起こります(この現象のことをバックラッシュと呼ぶ)。
キャスト時に飛んでいくルアーは風や空気抵抗を受けるため速度の減少・ブレが発生し、このときにスプールの回転がシンクロしていない(スプールの回転速度が速すぎる)とラインがグチャグチャとなってしまいます。
スプールの回転が早すぎる原因として、ブレーキの設定が悪い(緩すぎる)、サミングをしていない、キャストの仕方に問題がある、といった点が挙げられます。
メカニカルブレーキの調整ですが、目安はルアーを垂らしたときゆっくりとルアーが落ちる程度。ルアーの重さでラインが徐々に出て行くような状態にします。
慣れないうちはブレーキは強めに設定するとよいでしょう。ブレーキを強くすればバックラッシュは起きにくくなりますが飛距離は短くなるので、慣れてきたらブレーキを少しずつ弱めて自分にあった設定を探っていきましょう。
サミングはキャストした後ルアーが着水する少し前にスプールに指を当ててラインの放出を制限するテクニックです。
具体的には、着水する直前にスプールを軽く抑え、着水したら完全に抑えてスプールの回転をストップさせるような感じです。これを行うことでスプールの回転をコントロールしバックラッシュを防ぐことができます。
最後にキャストの仕方ですが、ベイトタックルでのキャストはロッドにルアーの重みを乗せるようにして投げます。飛距離を稼ごうとロッドを素早く振るとスプールの回転が上がりすぎてしまい、すぐにバックラッシュしてしまうので注意が必要です。